人生において大切な子ども時代。二度と戻らない、またその後の人生に大きな影響を与える大切な時間です。
子ども達には丁寧に丁寧に時間を使ってほしいですよね。
また私たち大人が子ども達にやってあげたいこともたくさんあります。
勉強も教えてあげたいし、生活スキルも教えてあげたい。社会性も高めてあげたいし、余暇のレパートリーも広げてあげたい。将来的には自立的な生活や就労を実現させてあげたい。
色々考えてしまいます。
でも…、それらは一体何のため？
勉強できたら幸せ？生活の自立度が上がりさえすれば万事オッケー？大人の指示に従うことが必ず正しい？就労が人生の最終目的？
弊社ではそのようには考えません。
それらは人生においてすべて「手段」であって「目的」ではないと考えています。
そして人生の目的とは「自分色の人生を歩むこと」であると私たちは考えています。
「自分色」…。好きな趣味を楽しみ、気の合う仲間とコミュニケートし、自分のペースで生活をし…。こうした人生を歩めればもちろん幸せですよね。自分色というよりバラ色です。
しかしどんな人にとってもバラ色なだけの人生などありえません。至極当たり前のことですが、やりたいことをやるためには、やらなければならないことをやらなければならないのです！
趣味や自分の世界を楽しむためには、そのための時間やお金を確保するため仕事で他者に貢献しなければなりません。自分のペースで生活したければ、ある程度のことは自分でできなければなりません。自分でできないことを他者に援助してもらいたければ、（援助が必要ないことはしっかり自分でやった上で）適切なかたちで援助要求できなければならず、またできればお礼の意志伝達もできたほうがよいでしょう。
こうしたことも含めての「自分色」なのです。
私たちは療育を通じて子ども達にそうしたことを教えていきます。
将来の仕事に必要なスキル、身辺自立スキル、コミュニケーションスキル等々、またそれらを学ぶ上で大切になる幼少期からのたくさんの成功体験や楽しい思い出。
そして何より大切な「なぜそれらが必要か」という問いの答えである、「その子色の人生の実現」つまり、どのような趣味を持ち、どのような学習や仕事をし、どのような生活スタイルを持ち、どのような人づきあいをしていくことが本人らしいかについて、常にご家族や関係者の皆様と語り合い、考え続けたいと思います。
「その子色」、つまりその子の良いところや魅力、全般的な発達の凹凸や認知の詳細な特徴、行動傾向や感覚の発達の特徴、学習スタイルや好子・嫌子のレパートリー（≒事物の好き嫌い）等々。
私たちは科学的根拠のあるアセスメントツールや専門的な行動観察法などを用いながら、そうした「色」を描き出し、それをもとにして「その子色の人生」について考えていきます。
そして専門的または科学的根拠のある方法を用い、合理的配慮を行いながら、その人生の実現に必要な大切なことを子ども達に教えていきます（またそれらを通じて、私たち自身がそうした大切なことを子ども達から教わることも少なくないでしょう）。
私たち大人が子ども達の人生に大きな影響を与えられる時間は限られています。
ぜひ私たち大人、皆で協力して子ども達が「自分色の人生」を歩めるよう力を尽くしましょう！
株式会社 スペクトラム ライフ 代表 桑野 恵介
